Img_6732a319ec4b3ccffc84e2e8e5dfd5e2
Img_1ecffe9049fa6f1041806dfcc98e2b2a
Img_045c50e95cea96c3ca9ad458e703cce2
近頃娘の事ばかりの親バカ日記になっていましたが少しお仕事のこと。

数年前より始めた缶入りクッキー
今ではスーチェの代名詞と言っても過言ではないくらい。沢山沢山作ってまいりました。
今は出産に伴いお休み中ですがもちろんこれからも作っていくつもりです。

当時商品化するにあたりかなり完成度の高さを自分に課していました。
既存の缶入りクッキーというカテゴリーの中で奇をてらわず、けれども私にしか作れない物を作りたかった。上品で控えめだけど他と差別化を図りたかった。数あるお菓子屋の中でも一目でスーチェの缶入りクッキーだと認識してもらえるようなものが作りたかった。
もちろん誰にでも愛される味をつくるのが一番重要でしたが、同じくらい包装には気を使いました。包装紙もそうですが、缶には並々ならぬこだわりがありました。従来の角が丸いスチール缶にあまり魅力を感じていない時、角がピシッと90度のブリキ缶と出会いこれにどうにか私のクッキーを詰めて商品化出来ないかと来る日も来る日も製缶業者の方と打ち合わせをしました。当初あまりこれを食品に使う事は無かったようで実際に錆びやすいブリキの缶はクッキーを詰めるには不向きだと言われました。
それをクリアするために少し厚めの敷き紙をオーダーメイドで作り、クッキーを詰める前に一度綺麗に拭きあげるという手間も覚悟しました。そして薄く脆いクッキーが重なり合っても割れずにきっちり美しいままお客様にとどく最良のサイズ感を試行錯誤して作りあげました。そのオリジナルのブリキ缶は高齢の職人さんの手作業による品でした。機械で作るのとは違い大きいロットでの注文が受けられない代わりに小ロットで完全オリジナルのサイズオーダーが受けられるという点も私には好都合でした。そして缶そのものの質実剛健な佇まいに、職人さんのお仕事の素晴らしさを感じていました。
この缶と出会い私の理想の缶入りクッキーが商品化出来ました。あれよあれよという間に沢山の方に認知していただき需要が高まり製造が追いつかないほどに。嬉しい悲鳴とはまさにこれだと言う経験をさせていただきました。
大好きな福田里香さんの言葉ですが"包装までが製菓です"と常日頃私も思っているので、クッキーを美しく美味しい状態でお客様に届けてくれるこのブリキ缶は私にはなくてはならない存在となりました。

先日クッキーの缶を作っていただいている製缶会社の方から連絡がありました。
この缶を作って下さっている職人さんがご高齢の為体調を崩され退職を余儀なくされたとの事。代わりの職人さんをあたったけれど今把握できる範囲で日本に同じ技術を持った方がいないとの事。本当に残念ですがもうあのブリキ缶を使ってのご提供は今後できなくなってしまいました。
まだまだ一部の話ですが当初の私の願い通り一目でスーチェの商品だとわかってもらえるようにもなってきました。それは缶も含めた完成度の高さだと自負しています。その大事な缶はもう機械で作る既存のスチール缶に変わってしまいますが、これだけ皆様に認知され求めていただけることができたのでもう差別化など意識しなくても自信を持って皆様に販売することができます。
ここまで自信を持つ事ができたのも退職をされた職人さんの大切な手仕事のおかげです。
スーチェのクッキー缶はこの職人さんと一緒に作り上げたようのものです。
ここからはもう職人さんの手仕事に触れながら商品を作る事は出来ませんが、今までどうり皆様に愛される商品として変わらないようにスーチェの缶入りクッキーを大切に守るように作り続けようと思います。
ちょうど産休中という私の中で第1章が終わった感じの時期というのもなんだか切りが良いのかも。すごく残念ですが産休明けのスーチェ第2章は新しい缶を使用した缶入りクッキーとなります。
長く書いてしまいました。
たかが缶と思われるかもしれませんが私にとっては掛け替えの無いものでした。
間接的でしたが職人さんにお礼の言葉を伝えていただきました。中身あっての製缶とおっしゃっていただきましたが、私にとっては同様に大事なものでした。長い間ご苦労様でした。職人さんあっての私でした。どうぞご自愛ください。お元気で。
Img_a5c0f2478cb034da01f8f6ed89755168
Img_957471f94f93ed1260c8529d1ef43dcc