先日ふと新聞を見ると目に留まる記事があった。
私の工房の近くで生まれ育った人の記事だった。
海と山に囲まれたとても豊かな土地。
でも温泉街は閑散としているし余り元気の無い街。。
何より地元に住む私達が地元の素晴らしさに気づいていないような気がする。。

その人は言っていた、景色も自然も素晴らしいのにそこへ余計なものの足し算ばかりしてきたと。。
看板や電信柱によって損なわれる景観。
こんなに豊かな土地に住んで居るのに私はそれすらも気づかずにいた。
日本には四季があり花々を愛で、移り変わる季節を楽しむ繊細さがあるのに反対にそれを崩しながら増えて行く物。。

私の工房にはTVも無く洗濯機も炊飯器も無い。けれど不便を楽しんでいる。
寒さを感じてそれで暖かさを実感出来るし、土鍋で炊いたご飯の美味しさに喜び、洗濯板でゴシゴシしたあとのすっきりとした気持ち。自分の生活を楽しむことでその土地に愛情がわいた。
愛する土地を美しく守りたいという気持ちに私はなった。。

記事を何度も読み返し、庭の木々に目をやると先月植えた月桂樹の背が伸びていた。私と一緒にこのボロボロの工房に生きているんだなぁ。。
奥の家には柿の木。。
秋なのに風鈴の音。。
私はここを愛おしく思う。

風景やその土地の素晴らしさに気づく事が出来たら本当に大事な物が見えてくる気がした。

甘味を作り出す日々、大切な物を見つけながら過ごしたいと思った。